暗黒魔王のたくらみ・その4
暗黒魔王が言いました。
「ペケ!お前のお母さんは だいぶ弱ってきたぞ・・・
時間の問題じゃな。」
「え!!そんな・・・お母さんが・・・」
「もう何日も食べモノを与えてないからな・・・」
「お・・・お願い!!お母さんに食べるモノを・・・・」
暗黒魔王が不気味に笑いながら言いました。
「フォッフォッフォ・・ほぉ~、お母さんを助けたいか?」
「は・・はいっ!なんでも僕するから、お願いします!!」
「では ひとつだけ方法があるが・・・やるか?」
「は・はい・・・」
「お前が 手に入れるんじゃよ。嘘をついて食べ物を・・」
「え??僕が??」
「それが お前の母親の分の食い物にもなるのじゃ!
大切なのは嘘をついてせしめることじゃ」
「えっ?僕が嘘を?・・つけないよ・・」
「なに出来ない?。ならばお前を食らうぞ!
そして・・白キツネも・・」
「いやだ!」
「小僧! 俺達は嘘を食って生きているのじゃ!!
いいか??嘘じゃ・・嘘でせしめた食べ物・・
とくに・・嘘で固めたお寿司なんか最高じゃ!!」
「思い出しただけでも ウァ~オ~~ッ! よだれが~」
暗黒魔王の国では 「嘘」という「霞」を
食べて生きていくのです。
悪い行いが、食べるものになるのです。
人を騙したり、いじめたりして・・・。
「なかでも、ワシは・・
おお!いかん、いかん、本題本に戻らねばの・・」
「お前が嘘をついて、食べ物をせしめたら、
ひとつをお母さんにやろう」
「でも・・やつぱり・・僕・・嘘なんてつけないよ・・」
「それでは白キツネは死ぬしかないな・・」
お前が殺すのじゃ!!
白キツネを!母親を!!
「そんな!!そんなの・・・いやだ!!」
「では・・どうするのじゃ?」
「食べ物を・・食べ物をもらってくるんだんね?嘘をついて・・」
「そうじゃ。そうすればお前の母親は助かるぞ」
「ほ・・ほんとだね?」
「トイチ君の冒険」
ペケ君の嘘の巻・第12回
小さな嘘
暗黒魔王から嘘をつき食べ物をせしめてくれば
お母さんを助けてやる・・そんな無理な約束にペケ君は??
どうなるん??気をつけてね!!「ペケ君」
「あぁ・・・約束しよう。どんな言葉でもよい
嘘をつくのじゃ、そして食べ物をせしめてこい」
「そしたらお母さんを助けてくれるんだね?本当だね?」
「そうじゃ。約束しよう」
「でもな・・・けして言ってはいけない言葉があるのじゃ」
「えっ?それは?」
「感謝の言葉じゃ・・」
「感謝の言葉??って??」
「わしは、嫌いじゃ!ペッペッペ!あれはどうもいただけない・・」
「あ・り・が・と・う とか?」
「え~~い!言うな!その言葉が一番嫌いじゃ!
頭が痛くなる!いまいましい」
軽くペケ君、逆襲です。ガンバレ!!
ペケ君は考えたのです・・
(とりあえず・・お母さんを助けるための小さな嘘なら・・)
(ここから逃げ出して、お母さんを助ければいいんだ・・)
「・・・・うん。言わないよ。約束するよ」
ペケ君・・泣く泣く暗黒魔王と約束をしてしました。
「そうか!!小僧!!」
あぁっ・・約束しちゃった・・
よほど暗黒魔王、嬉かったのか・・なぁ?
それほどペケ君のお母さんが強敵だったんですかね?
「そうか!!よし!判かつた!!おい黒コウモリ!!」
「へい、なんでやんしょ?」
「あのな・・ゴニョゴニョ・・・」
「へい!わかったでやんす」
暗黒魔王と手下コウモリはなにやら相談をしました
なんだろ?気をつけてね!!「ペケ君」
「それではお前にも食べ物をやろう・・ホレお寿司じゃ」
「お寿司?」
「そうじゃ」
「『おいなりさん』はないの?」
ペケ君、意外とやりますネ~
「う~~っ!!贅沢な小僧じゃ!!
つべこべ言わず・・はやく食え!!」
ペケ君!!なんだか・・この巻寿司、怪しいよ!!
たべちゃ・・・ダ・・・駄目・・っ!!
あ~あ・・・食べちゃつた・・・
そうです!!手下のコウモリが のり巻に変身して、
ペケ君を操ろうとしているのです
「小さな嘘」を上手く利用されてしまったのです
大人って・・いいえ暗黒魔王ってずるい奴です。
こうしてペケ君は暗黒魔王の手下になってしまいます。
そして・・神の使者の子として言ってはならない
『小さな嘘から大きな嘘』を覚えさせられてしまったのです
「では、もじゃもじゃの森へ行け!!
そして食べ物をせしめて来るのじゃ!」
そして・・悲しいことに・・ペケ君は 「もじゃもの森」で、
手下のコウモリに操られ出会う人達をだまして
食べ物をせしめるようになってしまったのです。